そんな中、幾度となく鏡は破壊されてきた。

災いを阻止しようとする人間達に。


しかし、大神が施した封印が解かれることはなく、鏡はそのつど元の形状に戻るのが常だった。










それなのに、その封印を事も無げに解いた人間と出会った。

何が鍵となったかは知る由もない。

が、気がつけば俺は解放され、目の前には人間の女。

名をセーラという。

彼女の記憶を覗いて知った。


俺は、セーラを見た瞬間から、激しい既視感に襲われていた。

俺はセーラに会っている。

そんな気がしてならない。


そのセーラは驚くことに、俺のことを知りたいなどと言う。

普通の人間では有り得ない発想。

彼女は何者なのか…



俺はしばらく、セーラの側にいることを決めた。

失われた記憶を、取り戻すために。