可愛くてごめんなさい。

「品がない?!
それ、誰に言ってんだ?」



梨花がスタスタと女共に近づいて行く。


(う〜ん、
勢い余って出て来たけど、私の出番はなさそうだなぁ)



「りっ梨花にじゃなくて、
そこのブリ子に言ったの!」



「へぇ。
伊織の事を品が無いって言うんだったら…
これはなんだよ!!」


バシッ


梨花はA子のバッグを目がけて腕を振り下ろした。


ザザザッ


…バッグの中から教科書やらペン、授業のプリントが地面に広がった…



「考えが甘いな。
あたしが伊織にいじめられているように仕向けたかったみたいだけど、
こんな子どもだましレベルじゃ無理だぞ」



(あれは…
梨花の持ち物…)



「あたしがお前らの作戦にだまされるかよ!

…てか、なんで今まで黙ってたか分かるか?」




「なっ
なによ!」



「一応、お前らのことは友達だと思ってた…
だから様子を見ることにした。
けど、お前らの悪戯はエスカレートして最後は伊織を侮辱した!」


(梨花…そんな事を思ってたんだ)


「ふん。
自分の事は棚に上げるのね!
梨花だって一緒にブリ子をイジメてたじゃない!」


(そんな事もあったなぁ…)


「あぁ。
でもあたしはお前らみたいに陰でコソコソせずに真っ向から伊織に考えをぶつけてた。」


(確かに…)


「っつーか、キリがないな…
もういいや。
伊織、行くぞ。」


そういうと、梨花はスタスタと帰りだす。


私も無言でついて行く…
しかなかった。