しばらく考え込んだ…

けど、

(考えててもしょうがないから止めよ)



拓海に「はい、あげる」と伸ばした手の先には冷めた缶コーヒー。


お子ちゃまのくせにコーヒーが好きな弟は目をパチクリ。



「さんきゅ。
てか、冷た!!
ホットじゃないのかよ〜」



「もらってるのに文句言うな!」


ブツブツ言う拓海をほっといて居間に移動しようとしたら…



「あれっ?!
そういえば…
姉ちゃんコーヒー嫌いなのになんで買ったの?」



ギクッ



(鋭いな〜どうしよ?
目が泳ぐ!
てか、何も思いつかん!!)




「………それは……
あっ
ほらっ
寒いからカイロ代わりに買ったの!」



(なんとか凌げたか?!)



「ふーん
寒いから…かぁ
自販機にはコーヒー以外のホットは色んなのがあるのに…


あー…
そっか!」




弟は自信満々な顔で私の顔を指さしてニヤっとした…


「そうか…
せ・ん・ぱ〜い
が買ってくれたのか〜
ほ〜、なるほど〜」



(あー
やめろー!
また黒沢の話になるー!!
でも、もう隠せないな…)



「だっ
だからなんだよっ!
彼氏…じゃないから買ってもらったらダメなんか?!」




追い詰められると開き直るダメな性格。




「逆だよ。」




ほぇ?!