(この私が心配をしてやってるのに…
なんつー態度だ!)




あ〜
イライラする!!




……


「くしゅっ」


(やっぱ夜は冷え込むなぁ…


外出は美容に悪いからあんまりしないようにしてるからな〜)



すべて黒沢のせいだ!



と私のブラックな面がでて顔が歪み始めたけど、
頭を左右に振ってピュア伊織を呼び戻そうとしてた時だった…



「ほら。」




「きゃ!…」


いきなり缶コーヒーを投げつけられた…


(アブねーだろ!
受けてなきゃ落としてたぞ!)

って…


「あったかい……」



「それでも持ってさっさと帰れ」

(さっさと帰れだぁ!?
あー帰りますとも!!)




今持ってる缶コーヒーを黒沢の頭に投げつけたい衝動にかられた。



が…



(耐えろ私!
伊織は優しくて可愛いって事を
コイツ思い知らすためには我慢するしかないんだ!)




「風邪…ひいて、明日…
休んだらまためんどくせぇからな。」




……………はっ?




予想外の言葉に唖然とした。



(もしかして…私


一応心配…されたの?)



「じゃあな、
お疲れさん」




黒沢はこっちを見ずに軽く手を振りながら
私たちが歩いて来た道を帰って行った。



(家、
こっちじゃなかったんだ……)



「さむっ
早く帰ろ。」




あったかい缶コーヒーをカイロ代わりにぎゅっと握って帰った…