足元からナルの声が聞こえる。 「このドラゴンはナル?」 【そうだ!!早くしろ!!】 私を抱き上げていたシグマは私をドラゴンの背に下ろす。 私の右手にはロッドが現れた。 ナルは体を旋回させて、宙に舞い上がる。 怪物化した吸精樹は白い光を発しながら、動きを止めていた。 【うわあああああーーーーーっ!!!】 サイランは断末魔の声を高々と上げて、必死に私の力に足掻く。 私は今在るすべての力をロッドに託す。