「ナル……」 ナルの懇願の声が闇夜に響く。 私は浄化の力をまだ完全に使うことは出来なかった。 完全な前世の女神としての記憶を持っているが…力は不完全なまま。 私も恭を救いたい。 妹の亜希都のためにも……。 私の心は揺れる。 「ヴィーナスさま」 ナルは女神としてはハンパな私に縋りつく。 主を救う為に……。