「……キングさまを救える力は扱えるようになったのか?」 「分からない…」 「……呑気だな…」 ナルは闇に浮かぶ二つの月を見上げた。ナルの瞳は物憂げに紅の月に向いていた。 主の身を案じる僕の顔。 「……!?」 亜希緒が口元を押さえ、私たちの前に通り過ぎる。 「……御子が居るな…」 「御子って何?」 「赤ちゃんだ…いちいち…説明しないといけないのか??」