「……」 もう一人…焼肉には目も暮れず、椅子に下ろして徳利の酒を飲む人が居た。 ナルだ。 「あまねく夜(ヨ)まがいの光 照る紅(ベニ)の月 秋風ゆれる わが心もか」 「!?何ですか?それ??」 「和歌だ…」 「ワカメ?」 「……ふん…何とでも言え…」 ナルは猪口に酒を注ぎ、グイと飲み干す。 「寂しい?」 「……」