「……あいつ…猫と自分を重ねているんだ…同じ…捨てられた者同士として」



 「!!?」



 「…本来なら…心なんて読めないはずなのに……あっさりとヤツの心の中に入ること
が出来た…」



 「それだけ…心のバリアが剥がれてしまっている証拠です。キングさまは…キケン
です。創造の神であるキングさまは…悪霊たちの格好の餌となります。創造の力を
喰らえば…転生することが出来ます。輪廻の輪から外れた悪霊たちが…望む現の世界
に行くことが出来るのですから…」



 いつものナルの口調とは違っていた。



 淡々としながらも…キングの身を案じる深い思いがヒシヒシと伝わって来た。



 「……お力添え頂けますか?ファラオさま、ヴィーナスさま」



 「私も??」