脱力くんの話によらず



「ない」

彼はぽつりと言った。

「え!?」

私は顔を上げる。

「ないよ」

ウソ…。

「ウソ」

「はぁ!?」

フフッと彼は笑う。

「探してみな」

私は彼から受験票を
受け取り掲示板と
照らし合わせる。


「……
…………あった」


「よかったね」