脱力くんの話によらず


天から声が聞こえた。

のはウソ。
塀に昇りしゃがみ込む
住田くんが言った。


「うん、真剣」


表情を変えない彼に
千江は黙り込む。

「だってさ」

私はクスッと笑った。

「私だって真剣だよ」