痛いくらいの苦しさに、胸が詰まった。


懐かしい光が嬉しくて、悲しくて………。


たくさんの思い出が次々に巡る。

喜びも悲しみも、彼と過ごした時間が鮮やかに彩られ、愛しさが込み上げた。





球体はその間も変化し続け、全ての翼が出来上がる頃に人の形になっていた。



痩せた体躯に蒼白い肌、きめこまやかなそれは陶器にも近く、とても人とは呼べない。


濡れたように艶めく長めの髪からのぞく面も同じ、

閉じられた瞳によって多少は威圧を感じないが、開かれたそれを普通の人間が見るには堪えないものだろう………。



緊張と寒気を感じながら見つめていると、薄い瞼が動いた。




ゆっくりと持ち上がるそれに喉を鳴らす音がする………。




金緑の魔性の瞳がミラを見つめたのは一瞬。

瞬く間に伸びた腕がカイトの首を掴み上げ、剣呑に細められた。



「…………」


素肌だった腕は瞬き一つで手袋や衣服に覆われ、薄いく潤う唇からは慣れた声が冷たく発された。


「…………雑な呼び出しは不快この上ない」