彼女に捧げる新世界




「ここは俺の私邸で、この周囲は全ておれの土地だ。
この国は軍事に長けたところで、民間人の入れない区画はたくさんある。

他国から要塞都市と呼ばれるのがイスキア、ここだ」


「軍事国家………?

イスキアは戦争をしてるの?」


確かカルナバルも軍事に長けていた。

それは領土拡大によるものだったが………。



カイトの声は静かで、とても落ち着いている。

とても戦争をしているようには思えない。


「現代では戦争はない。

戦争は金がかかるし、たくさんの死者がでるからな……。

軍事とはいっても、有事の際に迅速に対応するためのものだ」



「そうなんだ………。

でも、カイトはその権利があるでしょ?

何かあったとしたら、人をたくさん殺すの……?」


命を奪う事、それがどれほどの事か………。

冷静なのは良くても、心まで冷えてはいけない。

ミラは少なくともそう思う。


カイトの眉が少しだけ動き、複雑そうな表情を作った。


「権利が無かったとしても、必要なら俺は殺す。

腐りきった社会を変えるためには綺麗なままじゃいられない。

元のイスキアは違法の薬物や人体実験、武器の密売などを日常にしていた」