彼女に捧げる新世界









リーン、と呼び出し音が響いたのは夜だった。



一人で済ませた夕食の後片付けを終えて、
少し寛いでいたときだったため、

リアは慌てて手櫛で髪を整え玄関に向かう。





「ちょっと待って下さいっ!」



そう言いながら玄関に走った。


パタパタとルームシューズの音を響かせて鍵を開ける。



開いた瞬間、30秒は瞬きを忘れて思考も停止したと思う…………。





「ただいま」




大きな荷物と夜なのにかけたサングラスは、不審者に間違えられてもおかしくはないだろう。


けれどそんなことさえも頭からふっとんでいた。



「……………っ」


「?」



固まっているリアに首を傾げる相手は、彼女の手を扉から離してさっさと入り込んだ。



「…………リア?」



呼ばれてようやく頭が動き出し、操られるように体が動いた。



「カイト………っ!!?」

ぎゅーっと抱きついて彼の香りを吸い込む、

夢を見てるみたいに嬉しかった。



会ったらなんて言おうか、たくさん考えたけれどどれも出てこない。