[千保side]
まだ、冬の風が吹いている春。私は、小さな白い紙を一枚片手に、大きなボードを見つめている。
「…あ……あった…」
…や…やった……。無理だと思ってた…。
「お母さん!あったよ!私、合格しちゃったよ!」
「ホントっ!?…………ホントだわ。おめでとう!」


みなさんこんにちゎ!!紫月千保です。いきなりですが、合格しちゃいました!何にかって?…それは、高校の受験にです。合格しないと思ったのですが、見事合格してたんです。

合格をしてたのを、中学校からの親友に連絡をした。
「未来!合格してた!」
<まじっ!!良かったじゃん!!おめぇ〜>
「ありがとぉ!!ちなみに、未来は?」
<もちの合格!!>
「やっぱり!?おめぇ〜!!」
未来は、隣町の進学校に受験をした。頭が良くて、親友でもあり、憧れの存在なんだ。私が受験した高校は、まぁまぁレベルで、地元だから挑戦してみた。
「でもさぁ、千保の学校って、人数少ないんでしょ!?いいなぁ…。こっちなんて、一学年で普通に、500人超えるし…」
……ま…まじ……?そんなにいるの!?…さすが、都会の進学校……。
「す、すごいね…。うちは、一学年60何人かだよ…」
そう。この学校は、驚くほどに、人数が少ない。隣町には進学校が多く、こっちに住んでいるほとんどの人が、そっちに行っている。だからかな…合格してたのも…。
<でもさぁ、人数少ないってことは、出逢いも少ないね…>
出逢い…かあ…。そんなのあるのかな…。
「無いと思うよ…」

<なぁに、アンタなら大丈夫。中学のころから、モテてたし!!>
いやいや、モテたことなんていし。告白されたことはあるけど、断ったんだよね…。
「でも、真面目クンじゃなきゃ、嫌だもん…」
そう。私は軽い人とか、ヤクザ系の人が、大の嫌い。理由は大事にされたいから。単純だけど、遊ばれるのは、嫌…。
確かに私は誰かと付き合ったことなんて無い…。真面目クンはたくさん居たけど、恥ずかしくて、告ることを一度もしたことがない…。
「そのうちね…。あ、そろそろ切るわ。また、かけるね」
そう言うと、「ほぃ。んじゃ」と言って電話を切った。
明後日から、新しい高校生活が始まるんだ!気合いいれなきゃ!!!!

そうして、私はお母さんと一緒に、家にむかった。