柚──…
『ねぇ、春。空が近づくこの瞬間が一番好き。』
柚、柚──…!
不意に不思議な光景を目にした。
少し離れた木の影で笑いながら、電話をする男の姿。
嫌な予感が過る……
近付いて、男の会話へ耳を傾ける。
「俺を振るなんて、すげームカつくし。後悔させてやるっつうの。」
「あー?大丈夫!確実に上手く行くって。ニコニコして、俺に気使ってばっかりでさ、マジ間抜け」
「この儘、何か理由付けて、ホテル直行!ざまーみろ」
「仕舞いには空が近づくこの瞬間が好きとか言って来て、マジ笑えるっつうの。バカかよ。」
時が止まった───
