見慣れない室内をゆっくりと見渡す。


会社へ辿り着いた俺は何故かすんなりと社長室へと通された。


恐怖心や躊躇いは不思議とそんなには感じられない。


頭ン中はお前の笑顔とお前の悲しい表情で一杯なんだよ。


それがごちゃ混ぜになって余計に胸が締め付けられる。



社長室で待つ間、深く息吐き捨てて懐へ入る携帯に括り付いた石に触れた。



その瞬間、扉が開いた。