「気付くの、遅いよ」 その震える声で小さく笑った。 胸が熱くてパンクする。 キツく瞼を伏せて思い切り顔を歪めた。 その瞬間俺の首に腕が絡まったのが分かった。 肩越しに顔を寄せられる。 「大好きだよ、大好き」 耳にした声は安心させる音。 俺は何度もお前という光に守られていく。 何をしているのだろう。 何処にいるのだろう。 それは瞬く星空と輝く月だけが応えてくれるんだろうか。