君の光を想う





佐倉と聖には全てを告げる事にした。


会社に乗り込むと言ってくれたけど、気持ちだけ受け取った。


半泣きの佐倉と明るく振る舞っても心配を見せてくれる聖には感謝と謝罪の気持ちで一杯。






柚だけの気持ちは分かって欲しい。


だけど人間っつうのは皮肉なモノだった。





あちこそに飛び回る柚の噂。


その場には柚の姿はない。





『すぐ乗り換えたらしいよ』


『酷い、そういう子に見えなかったのに』


『やっぱり金持ちが良かったんじゃない?』







ふざんな、何も知らない癖に。



やっぱりお前の傷の方が俺より遥かに深い。



眉間に皺を寄せて立ち上がった瞬間同時に誰かが声を上げた。