「つー事で!春!」
安心したのも束の間
──…嫌な予感。
聖の方は向かず、残っている弁当を食い始めた。
「最近さー夜遅いと、親に言い訳付かないんだよー。何か聞かれたらお前と一緒に居たって感じで上手く誤魔化しておいて?」
何だ、その猫なで声は!
「何で俺なんだよ?」
「春の事が好きだから!」
いきなり後ろから抱き付かれた。
箸落としそうになるし、
クラスの連中からは笑われるし、
つうか…
昔から聖と柚のマイペースな所。
似てると思う。
つーか、いつも俺振り回されてねー?
溜め息付くと幸せ逃げるっつうけど、溜め息しか出ねーよ。
でも、変わらない聖を見て、
何故か安心感があったのは事実だった。