何も言葉も交さず、
二人で歩く帰り道。
「──…血」
やっと耳にした柚の声。
視線の方向を追うと俺の手。
「これは俺のじゃない。でも聖は大丈夫だよ」
繋いでいた手を一旦離して、安心させる様に血が付着した手を衣服で雑に拭き取る。
「……ホントに?」
下がっていた顔が上がる。
柚の表情はほんの少しだけ和らいでいて。
「本当、佐倉も付いてるし…大丈夫だろ」
「そっか、良かった。なっちゃんがいれば大丈夫だね」
少しずつ笑顔が戻って来る表情に安堵した。
さっきの柚の表情が…本当に切なく見えたから。
「でも俺は…」
嘘は付きたくなかった。
