君の光を想う




「あ、あのね?たまには違う道から帰ろうと思って」



迷子の常習犯が何でそういう思考になるんだよ。

呼吸を整えていると柚が言い訳を並べてくる。




「それでずっと迷ってて、そしたら後ろから付いてくる人が居て、思い切って道聞いたら…連れて行ってくれるっていうから」




「お前…ふっざけんな!」




夜の住宅街だろうが構わなかった。

つーかやっぱり迷子かよ。
何年間ここに住んでるんだよ。


柚は一瞬驚いた後、申し訳なさそうな顔をした。




「ごめんね」




何が悪いのか分かってんのか、本当に。
呼吸と気を落ち着かせて柚を見つめた。