あと一時間の授業が終えれば、帰宅の時間。

少ない休み時間を机へ頬杖を付きながら正面を眺めていると

黒板でピョンピョン飛び続ける何かが視線に入った。





日直の仕事、黒板消し。

上まで届かないのか、ずっと飛び続ける小柄な女子の後ろ姿。







あれは、ずっとやってる気だな…

椅子持ってくりゃ良いのに。

溜め息を付きながら席から立ち上がる。

立ち上がった瞬間、チラチラ視線が刺さる。




なんか、もう変な視線になれてきた…


黒板まで歩み寄り、

その女子から黒板消しを奪い、残りを素早く消した。





黒板消しを置いた直接、女子へと視線を落とした。


真っ赤になりながら「ありがとう」と小さく呟くその姿が不謹慎にも、

湯でダコそっくりと思ってしまった。