皆が笑顔で、嬉しいと笑う佐倉。

今のは、本物の笑顔なんだろうな…って思うと余計に輝いて見えた。






「マジ?サンキュ!これ、頂き!」





素早い手捌きで一品を奪い、口へ放り込む聖。

瞬間的の出来事。

お前は、猫か……





「スゲー美味ぇ!おばさんの手料理マジうまだな」

「そうでしょ?──…じゃなくて!手掴みは止めてよ。ちゃんとこれで食べてよ、聖」






ん、アレ…?


何か、違和感。






そう感じて佐倉の顔へ真っ直ぐ視線を送り続けていると、

それに気付いた佐倉の眉が徐々に寄っていく。





「な、何?あたしの顔に何かついてんの?春」






あー…そうか。




縮まった距離…──。








柚はいつもと変わらず楽しそうに笑っていて…。






良い意味で、何も変わらぬ俺達の光景が閑かで微笑ましくて…


青空を見上げると日差しが眩しくて、瞳を細めた。