現れた姿は、スーツをきっちり身に付けている女性。 「あ、お帰りなさい…お母さん」 「ただいま…」 佐倉の母親。 酷く疲れ切った姿が直ぐに伺える。 佐倉の母親が、ゆっくりと俺達へ視線を向けた。 「おばさん、こんばんは」 「柚ちゃん、こんばんは…夏子、ちょっとお水持って来て、もう寝るから…」 「はい」 それだけ告げると、部屋へ入っていってしまった。 佐倉は素早くコップに水を注ぎ、部屋へと運ぶ。 それはまるで、家政婦の様に…