「ん……。今日から私も高一か……、早いな」






快晴という青空が広がる空の下。
私、白神 麗黒はてくてくと通学路を辿っていた。


今日は待ちに待った、高校の入学式。
昔っから、「早く高校生になりたい!!」なんて思っていたケド、
こんなにも時間って経つのは早いんだなぁーと改めて思ったりもする。


私はグルリと当たりを見渡した。


周りに居るのは、私と同じ制服に身を包んだ高校生達。
皆、皆、はしゃぎまくってる。
特に男子のテンションはピークに達してるみたい。
明らかに声が高くなってるし。


そんな人達が横を通り抜ける中、
私はただ一人、立ち止まって空を見上げた。





「今日から新しい学園Lifeを送るんだ!!」





空に向かって、大きく拳を突き出して。
そんな私を皆が見てるなんて別に気にしてはいなかった。


それは愚か、むしろ前すら見えなかったくらい。
私は興奮と嬉しさでいっぱいだった。


小鳥の囀りがスタートをきるためのピストルのように。
私は学校への道筋を全速力で走り出した。