一陣の風が吹いた。


花びらは宙を舞い、君の肩に静かに降りる。



髪をかき上げるその姿に、遠い日の彼女の姿を重ねた。



『早く行こうよ!』

もう彼女と歩くことのないこの道。



「早く行きましょう!」

今、君と歩くこの道。



君は怒るだろうか。
君は悲しむだろうか。



少しの罪悪感と煙草の煙で、

先を行く後姿が、霞んだ。