裕ちゃんと健斗くんのお母さん、政美さんが抱きついた。 「あ、ぁりがとうございます」 「もー!合格出来ると思ってたわ〜!だっていつも勉強頑張ってたし、由美子さんの娘さんだし、お父さんお医者さまだし―……」 政美さんの話しは延々と続けられた。 「静、おめでとう」 裕ちゃんがオレンジジュースの入ったコップを差し出しながら言った。 「…ぁりがとう」 心からお礼は言えなかった。 少し笑顔も引きつった。