「比奈ちゃん、星好き?」

「お星さま?」

「今から行くとこね、星がたくさんあるの」

「お星さまが!?」

「そうお星さまが。見たら驚くよ?」

楽しそうに会話する2人。その後ろを1人歩く俺。


「一成兄ちゃん!お星さまいっぱいって!」

興奮した比奈は鼻の穴を大きくしていた。

「あぁ、らしいな。」

答えた俺は、見事スルーされて…

1人俺は、楽しそうな2人をただ眺めていた。


駅前から約15分。
商店街の一角にある、普通の喫茶店だった。


「ここよ」

比奈の手を引き、柚子は扉を開けた。