「比奈、帰るか…」 なんとも言えない思いが、なんとも言えない罪悪感が、押し寄せる。 「比奈ちゃんって言うの?」 女の人は優しく、問いかけた。 コクン… 比奈は頷くだけ。 「そう!いい名前ね?私は梨杏(りな)。また会いましょうね?」 颯爽と帰っていく後ろ姿に比奈が、 「あっ、ありがとう!」 と叫んだ。 振り向いて、 「いいえ」 そう答えた姿は、天使のようだった。