【短編集】涙の流れるその原因に

「いいえ、あなたの所為じゃありませんよ」

雨童子…朝露がそう呟いた。

回想しているうちに下がっていた顔を上げる。

彼は困ったように笑っていた。







「僕、人の心がわかるんですよ。

特殊能力ってわけじゃないんですけどね。

で、あなたは自分を責めていますが、そんなことしなくていいんですよ？」

…自分より年下に見える朝露にそう言われるだなんて思っても見なかった。







「芳也から伝言を預かっています。聞きますか？」

こくりと頷いた。






少し間を置いてから、彼は話し始めた。




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