「そろそろか」 そう言った咲斗の言葉がわからなかった。 彼の横顔、その視線の先を追ってみる。 ・・・桜。 もう、季節は近付いていた。 気分はゆっくりと下がっていって。 もうテレビでは開花予測。 暖かいこの季節は好きだったはずなのに。 楽しみだったはずなのに。 気分が重くて仕方ない。 好きが重くて仕方ない。 .