その後、彼の名前が咲斗だと知った。
それとここにいる理由。
桜の精の仕事、花を咲かすこと(花咲か爺さん?)が一段落したから暇らしい。
だからよく桜から見えた私の所に遊びにきた、らしい。
「ひなた、お前の家族はいつ帰ってくるんだ?」
なぜか晩御飯を用意してくれてる咲斗に聞かれた。
「2年後くらい?」
「・・・は?」
「みんな、単身赴任やら一人暮らししてるからね。そのうち帰ってくると思うけど」
深刻そうに聞こえるかもしれないけど、そんなことはない。
色んなことが重なっただけだから。
家は静かになっただけ。
「ふーん?じゃいろいろできるねひなたちゃん」
にやにやしないでよ不法侵入者。
「なに?家事とか全部やってくれるの!?咲斗くんやっさし〜」
棒読みで返してやりましたとも。
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