「♪〜♪♪〜♪〜」

そこで俺が目にしたのは桜の花びらが舞ちる中、木に腰かけて楽しそうに歌っている女の子だった。

風に揺れる綺麗な髪に聴いていて懐かしくなる歌……

「…………」

「♪♪〜♪〜♪〜」

俺は言葉が出てこない。いや、出なかった……

すると視線を感じたのか彼女は歌を止め、俺がいた方を見てきた。