「どういたしまして。そうだ!息抜きにテラスに行ってきなよ。」

「えっ!いいの?」

「大丈夫だよ。でもちょっとしたら戻ってきてね、お姫様♪」

ハリスくんはそう言うと、ウインクをして行ってしまった。

「まったくハリスくんったら。でもせっかくだから行ってみようかな。」

私はテラスに向かった。

「わぁ〜!綺麗ー!」

テラスからは街の明かりが見渡せて、まるで宝石箱みたいだった。

「…………。」

しばらく黙って見ていると後ろからカーデガンをかけられた。

「風邪引くぞ。」

「巧くん…ありがとう。」

そしてまた何を話すでもなく、2人で夜景を見ていた。

そして真李亜は思った。

このドレスやっぱり似合わなかったのかな……。

私は俯いた。

「ん?……どうかしたのか?」

「……何でもない。気にしないで。」

「………あーもう!面倒くさいな!」

「!?」

巧くんが……壊れた!?

ぎゅっ

「きゃっ?!」