中三は終わりに近づいていた。
私と翼はお互いに
私立と公立を1校ずつ
受けていた。
もちろん地元の。
吹っ切れていたので
別に良かった。

翼の私立高校の
合格発表の日がきた。
いくら滑り止めとはいえ
受からなければ
滑り止めの意味はない。

関東と関西では
受験の時期がかなり
ズレていた。
関東の方が受験が早く
1月下旬に受験、
2月上旬に発表だった。
しかし関西の方は
2月半ばに受験があり、
発表は2月下旬だった。
お互い初めての受験に
私も緊張していた。

その日は学校が昼までで
家へ帰ると母さんが
居間で座っていた。
私が居間に入るなり
母さんは優しい顔をして
「メール来てたよ」と
一言いった。

(誰からのメールやねん)
と思いながら机の上の
携帯を開くと、
翼からだった。
もしかして、と思った。
以前母さんに今日が
翼の合格発表の日だと
言っていたので、
母さんは私が携帯を
見るのを待っていてくれたのだ。