距離の長さを
知ってしまった私は
途方の日々を過ごした。
母さんの監視もなくなり
また携帯が使えた頃には
とにかく会いたいとしか
考えられなくなっていた。
冬の大事件以来、
簡単に会えないということを
知ってしまった。
アルバイトが出来ない中学生は
お金を貯めるのも困難だし、
ましてや親に内緒で
会いにいくことは
なにより不可能に近い。
中学生が親に内緒で
新幹線に乗るなんてことは
とうてい無理な話だった。

私はとにかく寂しさに
打ち勝つために必死だった。
寂しい時はレボが
電話をかけてくれたが、
電話を切るときの寂しさに
また打ち勝たなければ
ならなかった。
電話を切ることが出来ず、
泣き崩れることも
しばしばあった。

そんな時レボは
「俺が隣にいるから」と
いつも言ってくれた。
もちろん一番の励みになったし
想う気持ちは増していった。

気づけばもう中三も
半分を過ぎていた。
レボと付き合ってから
1年が経過していた。
あれだけ嫌だった部活は
夏で引退し、
解放された夏休みとなった。
しかし待っていたのは
受験勉強だった。