季節は冬になった。
私の住むところでは
風の冷たい寒い日が続いた。
相変わらず部活は嫌で
時間が短くなったものの、
グローブにボールが当たる
瞬間が寒くてかじかんだ手には
痛くてたまらなかった。

ただ相変わらずサオリとの
寄り道は楽しみで、
アイスの代わりにコンビニで
肉まんを食べながら
寒い中毎日語った。

冬休みも近くなったある日、
両親から旅行の話を聞いた。
毎年友達の家族と
どこかに旅行に
行っているのだが、
今年は東京に行くと
告げられた。
私の大好きな
ディズニーランドだ。
その年は新しく
ディズニーシーも出来ていて
楽しみは更に増した。
3日目には渋谷に
連れて行ってくれると
いうからドキドキだ。

ふと考えた。
レボが住んでいるのは
東京の真上だ。
渋谷まで1時間半あまりで
着くと言っていた。
(会えるかもしれへん…)
そんな考えが生まれた。

早速レボに相談した。
レボは思ったよりも
喜んでくれ、賛成してくれた。
「俺が東京まで行くよ!!」
そう言ってくれた。