しばらく手が動かなかった。
怖くて見たくない。
しかし見てみたい。
心の中で葛藤を繰り返した。
真ん中のボタンを押せば
レボを見ることが出来る。

「えーい!!」
思い切ってボタンを押した。
パッと画面が切り替わり、
レボの顔が現れた。
特別かっこいいわけでなく、
特別不細工なわけでなく、
どこにでもいる男の子の
ように思えた。

緊張していたが
写メをマジマジと見つめた。
今まで見えなかったレボが
自分の目の前にいる。
画面越しだけれど。
不思議な気分だった。

何かが変わったわけでは
なかったけれど、
見えるものが
増えてきたように思えた。

中2は半分を過ぎた頃だった ―