「あんた、何これ」
明らかに声だけ聞くと
怒っているように聞こえた。
振り返ると眉間にシワを
寄せた母さんが立っていた。
母さんの手には共同で
使っている携帯が
握りしめられていた。

「なによ」
少し反抗したように
答えると、
「これ男の子からの
メールじゃないん?」と
私に携帯の画面を突きつけた。

画面をよく見ると
メールの本文が
映し出されてあった。
本文の最後には
「好き」の二文字があった。
もちろんレボからだ。
母さんが勝手にメールを
見てしまったのだ。

「メル友やけど悪い?」
更に反抗的に言った。
「こんなんどんな人か
わからん人とメールして」
私が何も説明していないのに
あからさまに否定された。
レボの存在を否定された
みたいで腹が立った。