モンスターハンタールチフェル2nd

 一瞬の沈黙・・・



 3人と1体の睨み合いだが、思った以上に長く感じ取れた。

 ゆっくりと3人は後退りし、いつでも全速疾走できる構えをつくる。



  そして、〝ヤツ〟が動き出した!



『ギュアァオォオオオオオウ!!』

 太い前足で地面を削り取るかのような勢いで、3人に向かって突進を開始した!



「散らばれっ!!」

 百合の掛け声でアレックとルチナはお互いに左右に分かれる。

 百合はアレックと同じ方へ走る。



 それを見切ったのか、一人になったルチナの方へ進路をずらしていく。

 それを感じ取ったルチナは思いっきり走った。

「しまったっ!
 そっちは壁際だ!」

 百合とアレックは慌てて逆方向へと走り返す。



「う、う、うそっ!!?」

 追い詰められたルチナ・・・



 迫り来る黒い巨体―――!

「こ、こんなのって―――!?」

(お願い、もう一度あの時の力を―――!!)

 ルチナは自分の右手の傷を見つめる。

(―――お願いっ!!!)



『ギュアァアアアアアッ!!』



 その時だ・・・





 シィイイイイイン!!



 右手に持つオデッセイが黒い輝きと共に形が変わっていく!

 だが・・・!





 ドゴォオオオオオン!!