マグマが絶え間なく流れ続ける火山地帯。

 その熱気に体力を奪われ、ほとんどの生物は息絶えてしまう過酷な環境である。



 それに耐え抜くボディを進化の過程で手に入れた者だけが、我が物顔で広大な土地を独り占めできる。

 そいつこそ……







『グゥオォォ――』



 ボリッ、バリバリッ、ガリリッ!!





 地面の割れ目から吹き出た溶岩が固まって出来た岩を大きな口で音を立てながらかぶり付く。

 頭から尾先まで全てが岩石同様の体を持つのはそのせいか、巨大な岩山のようなモンスター〝グラビモス〟は、何者にも邪魔されることなく食事をしている。



 が、そこへ、背後から黒い影が1つ。

 溶岩の中から顔を覗かせていた。