「僕たちが昔使ってた通路だよ」

「アンのお父様にナイショでって言われてたんだけど、今は逆に使ってもらうべきよね」



「ありがとう。
 本当に2人には感謝してるわ!」

 アンは少し声を震わせて、目には涙をちらつかせながらも雫と刹那を見つめる。

 旧友という仲間に勇気付けられながらも、アンの気持ちは活気に満ちている。



「持つものは友人ね!」

「行ってらっしゃい、アン!
 そしてこの国の王女様になるのよ!!」

「ええ♪」



 それから2人は松明を手に、国と名誉、そして夢と未来を取り戻すため、隠し通路に入って行った。