のだが、それはとある事情で国を出ていかなくてはならなくなり、伝統はまだ受け継がれていない。



「さ、もう始まるからアンとノアは先に!」

「私たちも次の作戦に移るから、急いでね!」

 そして刹那は男性用更衣室と女性用更衣室の間の壁の前に立ち、壁の中央、目線少し下に桜と竜の紋章が彫り込まれている。

 刹那は自分のポケットから金色に輝くペンダントを取りだし、それにかざした。



 ガゴン!!



 岩がズレ落ちる音が聞こえて刹那が壁を押すと、その壁はなんと押し扉に早変わりした。

 ズズズと石と石が擦れ合う音と共に、分厚い石の扉が開く。

 そこにはアンもノアも知らなかった隠し通路が2人に大口を開けていた。