「何で辞めることになったんですかーーー?」 半ば笑いながらクラスの人が言ってきた。 「それは…」 ドラマとかで盲目の人を演じる役者を見たことがある。言葉では表現できないけど、一目で分かる。 辞める理由。 言える。でも言ってしまったら、きっと涙が出るだろう。そんなことを私から口に出させるほど酷なことはない。 「なんですかーーー、」 廉やチカ、純の声は聞こえない。 慧は……今日も学校に来てない。仕事なのか休みなのか、そんなことさえ知らない。