次の日先生と両親と一緒に話し合いが行われた。
話題はもちろん私の東京行きについて。
「今回の入院は検査のためでしたので、本人が東京へ行くことは問題ありません。」
そう切り出す先生に笑みはなかった。
「ですが、検査結果が出ていない現段階での外出はすすめられません。」
「私、東京に行けないってことですか？」
「そうじゃなくて、何かが起こってからでは遅いってことだよ。」
「東京に行かなきゃいけない理由があって、どうしても行きたくて。」
「君の場合ハンデとリスクが大きすぎる。一緒に行く人の負担も。」
「・・・・、先生、私この先ずっと病院生活でもいいから東京に行かせてください。」
本当は目が見えるときに、もう一度行きたかった。自分が過ごした時間を振り返りたかったのに・・・もう遅い。だからこそ、今の自分の姿をアッコに見せたい。
今行かなければ、きっとこの先ずっと後悔するはずだから。
