幕末純想恋歌

「あ、ここ昨日のところですよね。」

見覚えのある部屋。

「中、見てみる?きっとすごいから。」

「すごいって何が?」

「見ればわかるよ。じゃ、あっけま~す!」

ガラッと戸を開けると…、

「うっわ、酒くさっ。」

あちこちに銚子やら杯やらが転がっている。

まぁ、そこまでは許容範囲として…。

「樽!?しかも三つ!?」

「あ~、いつも通りだよ。…これで。山南さんと一君はさすがにいないか。近藤さんと三馬鹿か。お~い、死んでる~?」

死んでるって…。

沖田は部屋の中程に転がっている三馬鹿、もとい永倉、原田、藤堂のところへいってつっついている。

「お~い。死んでます~?生きてます~?」

つんつん。つんつん。つんつん。返事がない。

「死んじゃった。死因、酒の飲み過ぎ。」

「「「死んでねぇっ!!!」」」

がばっと起きあがる三人。

が、またすぐにつっぷす。

「頭がぁぁぁわぁれぇるぅぅ。」

「回ってるぅ。世界が回ってるぅ。」

「しぬー…。」

それぞれが、なんというか…酷い。

「巡察までに酒抜きなよ。交代とかしないから、僕。行くよ。」     

鬼ー、と叫びが聞こえた。