「勝手場の場所も知らないのに走り出すなんてね~。」

クスクス笑われた。

「う~………。」

なんかいちいち笑われている気がするのは気のせいだろうか…。

「はいはい、うならないの。」

頭をポンポンされた。

「沖田さんて、わたしのこと子供扱いしてません?昨日、歳いいましたよね、わたし。」

「うん。だからしてないよ?まぁ、強いて言うなら、小さい犬とか拾ってきて世話してる感じ?」

「…………。」
拾った小さい犬って…。

どんな風に反応すれば…。

頭の中では、犬を拾ってきた子供が、

「ちゃんと世話するから飼っていいでしょ?」

と、親に頼み込む映像が流れている。

…なんかもの悲しくなってきた…。