「あ~、バカだな~。ック。」

ようやく笑いが収まり始めてきたようだ。
目には涙がにじんでいる。

(……そこまで笑えることなの?沖田さんの笑いのツボが分からない。)

沖田を眺めながらちょっと考えてしまう。 

パチ。 

………目が合ってしまった。

ニッコリ。

………何かニッコリしてる……! 

「ねぇ、葵ちゃん。」

「…なんでしょうか。」

「こんなのんびりしてていいの?朝だよ?」

「えっと…、どういう?」

「だから、朝だよ。朝ご飯なんだよ。君の仕事は?」

「………………………!!」

「思い出した?」

(ご飯つくらなきゃ……!!)

「…ご、ごめんなさいっ!!急いで作りますっ!!何作ればっ!?二日酔いの人にもなんか!?」

「別になんでもいいんじゃない?馬鹿はほっといて。ね、土方さん?」

「ああ。あいつらはほっとけ。あとは任せる。あと、そこまで急がなくていいぞ。」

「はい!急いで作ります!」

スパンと障子を開けて走り出した。

「聞いてねぇな。ハァ。」

「勝手場わかるのかなぁ?」

 タタタッ、スパンッ!

「勝手場どこですかっ!?」