幕末純想恋歌

「ほら気にしない。ところで葵ちゃん。酒、飲めるか?」

永倉も教えてくれないで、話題を変える。

「…飲んだことないのでわかりません。」

「なら、飲んでみないとな。」

「でも、わたし未成年なんで。」

「気にすんな、そんなもん。」

「おう。酒は飲んで大人になるもんだ。」

「…飲めないと言っている女性に無理に酒を勧めるのは感心しませんよ。」

そのとき、第三者の声がした。

げ、山南さんと永倉、原田が呻いた。

振り向くと、後ろに一人の男の人が立っていた。